暗い夜道。

この日も敬大は施設の子供たちと遊んだ帰り道だった。

『今日も蒸し暑い夜だなぁ…』

敬大はギターを持ち、ゆっくりと家へと歩いていた。

するとふと目の前にキョロキョロしながら辺りを見回している、祥乃の姿があった。

『スーパーモデルさんが何してたんだよ?』

敬大は祥乃に話しかけた。

『キャア!!…って、敬大君か…』

祥乃は一瞬驚いたが、敬大に気付き安心した。

『スーパーモデルさんがこんな夜にこんな所でウロウロしてて、危ないだろ』

『ちょっとコンビニに用事があってさ…』

祥乃は事情を話した。

『キョロキョロしてたけど、どうかしたのか?』

『うん…何か誰かにつけられてる気がしてさ』

祥乃はそう言いながら、また辺りを見回した。

『気のせいかな…』

祥乃は少し不安な表情を見せた。

『だったら家まで送ってやるよ』

敬大はそう言って祥乃と歩き出した。