次の日、仕事の終わった敬大は施設に向かった。

施設についた敬大は園長に通して貰い、子供たちが集まるロビーに向かった。

そして敬大がロビーを見回すと、既に蓮と楓が来ていた。

『よっ、敬大!!今仕事終わりか?』

蓮は敬大に気付き声をかけた。

『ああ…』

敬大はそっと楓の方を見た。

『今日楓ちゃんとのデートがてらに来たんだ。なあ、敬大…子供たちはやっぱり友也が警察に捕まった事、かなりショックを受けてるみたいで…さっきからみんなあんな感じだよ』

蓮はそう言って子供たちの方を指差した。

蓮の指の先には、うつむき元気のない子供たちがいた。

『何か元気づける方法ないかな…』

蓮はそう言って、ロビー中を見回すと一本のギターが飾られていた。

『園長先生、このギターって?』

蓮は園長に尋ねた。

『あー、そのギターはね…昔黒いハットを被った男の人と若い女の子がこの施設に尋ねて来て、子供たちに歌を歌ってくれた時に、寄付してくれたギターなの』

園長は説明した。