『俺今何やってるか知ってるか?』

恭吾は友也に尋ねた。

『わかりません…』

友也は少し怯えながら呟いた。

『裏でコレ売ってるんだよ』

そう言って恭吾は、ポケットから白い粉の入った小さなビニール袋を取り出し、友也の目の前でチラつかせた。

『コ、コレって…』

友也の声は少し震えていた。

『ご察しの通りだよ。この仕事さ、スゲー儲かるんだよ。どうだ?お前も手伝ってくれないか?』

恭吾は不敵な笑みを浮かべながら尋ねた。

『…断ります』

友也はキッパリと断った。

『残念だなぁー…まあ、良いや。またやってみたくなったら、電話してくれよ』

そう言って恭吾は、友也のポケットに電話番号を書いた紙を入れた。

『じゃあな』

恭吾はシルバーの車に乗り込み、仲間たちと一緒に去って行った。

『誰があんな仕事するかよ!!』

友也は独りグチを言って駅前へとまた走り出した。