『はい、大丈夫です』

敬大は笑顔でうなづいた。

楓は切った林檎をお皿に乗せ、テーブルの上に置いた。

『はい、林檎食べよ』

楓は敬大に林檎を差し出し、敬大は林檎を食べた。

『敬大とあたしはね、小さい頃からの幼なじみでずっとずっと一緒にいたんだよ。あたしね、生れつき心臓が弱くて、いつも敬大はそんなあたしを支えてくれてんだから』

楓は笑顔で話し出した。

そして楓は自分の知っている敬大のこれまでの事を全て話した。

敬大は、楓が話すそんな自分の過去を真剣に聞きいった。

『僕はそんな風な道を歩いてきたんですね。夢か…ミュージシャンになる夢か…何か凄いです』

敬大は自分の歩んで来た道を知りいささか驚いていた。

楓はまるで自分の事を話すように楽しそうだった。

『何か話しきいてると…僕って周りに結構支えてくれている人がいるんですね』

敬大は感謝の気持ちでいっぱいだった。