月日は目まぐるしく流れ、1年余りが過ぎる頃…

『blieve〜約束した〜君との愛〜何があっても守る事〜ここに誓うから〜♪』

町中のいたるCDショップで流れ続けるこの曲…
町中の大型モニターに映し出されるこの曲のPV…

驚異の新人としてヒットチャートを駆け上がり、人々の心をわしづかみにしたミュージシャン“誠治”。

今誰もが誠治の虜になっていた。

『お疲れ様です、誠治さん』

野外ライブを終えたばかりの誠治に記者が声をかけ、一緒に来ていたTVカメラが誠治を映した。

『お疲れさん。記者の人たちも大変やなぁ、俺の跡ばかり追っかけてさ』

誠治はタオルで汗を拭き、笑いながら言った。

『いえ、それが我々の仕事ですから。それより誠治さん、今日のライブも素晴らしかったですね』

記者はそう言ってマイクを誠治に向けた。

『そやなぁ〜、緊張したけど全力を出しきれて良かったわ』

誠治は笑顔で答えた。