カランカラン。

『あ、イヤリングが…』

楓は突然地面に落ちたイヤリングに気付き、耳にそっと手をやった。

『桐丘蓮。そなたは、いかなる時も月姫楓を妻とし、永遠に愛し続ける事を誓いますか?』

教会での結婚式の最中、牧師が蓮に尋ねた。

『はい、誓います』

蓮ははっきりと答えた。

『では、月姫楓。そなたは、いかなる時も桐丘蓮を夫とし、永遠に愛し続けることを誓いますか?』

牧師は次に楓に尋ねた。

『はい、誓います』

楓もはっきりと答えた。

『では、誓いの口づけを』

牧師にそういわれ、蓮と楓はそっと向かい合った。

そして二人はお互いの顔をじっと見合わせた。

『楓…』

蓮は緊張している楓に笑顔でうなづいた。

楓はそれを見て、静かに目を閉じた。

そんな二人を、座席に座って見ている友也の携帯が震えた。