楓は控え室に置かれている時計を見た。

『そろそろ始まる頃かな…敬大のライブ…』

楓は敬大のデビューライブがうまく行くことを願っていた。

『月姫 楓様。そろそろ教会の方へ参りましょう』

ブライダルスタッフが楓を呼びに来た。

その頃ライブ会場では既にライブが始まっていた。

WMRのアーティストが次々と歌を歌っていた。

会場内は大盛り上がりで観客たちはおもいっきり楽しんでいた。

『もうすぐ出番だな敬大』

控え室で最後のギターの調整をしている敬大にリョータが声をかけた。

『あ、リョータさん。みんな凄いですよね、あんな大人数の観客の前で緊張しないでいつも通り歌ってるなんて…』

敬大は先輩アーティストたちの凄さを痛感していた。

『そんな事ないさ。みんな緊張はしてるよ。ただ目の前に観客がいるから、そんなそぶりなんて見せないんだよ』

リョータは笑顔で言った。