『もう明日だもんな結婚式…早いな』

敬大は楓の方を見て言った。

『うん…』

楓は静かに頷き少し淋しげな表情を見せた。

それを見た敬大は、楓を心配した。

『どうしたんだよ楓?何か不安でもあるのか?』

『ううん、不安はないけどただ…』

楓はそう言って敬大の顔をじっと見つめた。

『ただ…何?』

敬大は不思議そうな表情を見せた。

『ううん、なんでもない。あたし絶対幸せになるね』

楓はそう言って微笑んだ。

『俺は明日二人の結婚式には行けないけど、遠くから祝ってるから…素敵な結婚式になるといいな』

『ありがとう。敬大も明日のデビューライブ頑張ってね。あたしも遠くから応援してる』

楓はそう言って右手を差し出した。

『ああ』

敬大は楓のその手を掴み、二人は握手を交わした。

『じゃあ、あたしそろそろ帰るね』

楓はそう言って立ち上がった。