『敬大。明日この前知り合ったセントローズ学院大学の子らと合コンするんだ。だから敬大も来いよな』

蓮は敬大を合コンに誘った。

『はあ?合コンなんかに行かないよ』

『ダメダメ。絶対来いよ、待ってるからな』

蓮はそう言って、勝手に電話を切った。

『あ、勝手に切りやがった…』

敬大はため息をつき、携帯をポケットにしまい込んだ。

その時、ストラップにして着けて置いたギターのピックが、携帯から外れて地面に落ちた。

敬大はそれに気付き、ピックを拾いあげた。

『ピックか…。二人がずっと一緒にいられるお守り…って、小さい頃に貰ったんだったな…。それ以来ギターに夢中になってて…バカな夢見てたんだよな…』

敬大は、外れたピックのストラップをポケットにそっとしまった。

そして敬大は自分の左手をじっと見つめた。

『バカな夢か…』

敬大は一言そう呟き、自分のアパートへと帰ったのだった。