病院を出たところでリョータが待っていた。

『敬大、シンさんが待ってるぜ』

そう言ってリョータは、タクシーに敬大を乗せ二人はWMRに向かった。

WMRに着き、敬大はリョータに連れられシンの待つ部屋の前にやってきた。

『敬大、またギター弾けるようになって良かったな。お前の努力が奇跡を起こしたんだから、本当にスゴイよ』

リョータは敬大に話しかけながら、シンの待つ部屋のドアをノックした。

『どうぞ』

中からシンの声が聞こえた。

『さあ、入れ敬大』

リョータはドアを開け、敬大を部屋に押し込んだ。

『おかえり敬大。君の帰りを待っていたよ』

シンは部屋に入って来た敬大に笑顔で言った。

『俺の帰りを待っていて下さってありがとうございました』

敬大はシンに頭を下げた。

『もう指は大丈夫なのか?』

『はい。大丈夫です』

敬大は元気に言った。