『まあ…何にしても楓は俺なんかより蓮のがお似合いだし、蓮といた方が楓は幸せになれるよ』

敬大はそう言って笑った。

『ふーん、まあお前がそれで良いなら良いけどさ』

友也はそう言って敬大の背中を叩いた。

『なあ、敬大。俺…フリーター卒業してちゃんと就職するよ。少年院出の刑務所出のこんな俺だけど、施設の子供たちの少しでも支えになりたいから、就職して頑張って働くことにした』

友也は胸の内を打ち明けた。

『そうだな、友也には守りたい人がたくさんいるもんな。守りたい人がいるから人は頑張れるんだもんな』

敬大はそう言って微笑んだ。

『敬大も夢頑張れよ。きっと敬大ならリハビリして、また指が動くからさ』

友也もそう言って微笑んだ。

二人は新たな年に誓いを立てた。

友也は子供たちのために歩き出した。

敬大は夢のためにもう一度歩き出した。

“奇跡”という言葉をただ信じて。