『俺の心にいる人って誰だよ?』

敬大は戸惑いながら尋ねた。

『敬大が1番必要としてる人は…心にいる人は…楓ちゃんだよ』

『えっ?』

敬大の中で衝撃が走った。

『敬大の心の中にはいつも楓ちゃんがいた。いつも必要としてたのは楓ちゃんだった。敬大は自分で気付いてないかも知れないけど、楓ちゃんの事が好きなんだよ』

『俺が楓の事を?そんな事は…それにただの幼なじみだし…』

『幼なじみだったから…いつも近くにいたから気付いてないんだよ。敬大の楓ちゃんに対するその気持ちが“好き”って言う気持ちなんだって事に!!それに楓ちゃんはずっと敬大の事が好きだったみたいだし…』

レミのその言葉に、敬大は楓のあの告白が幼なじみとしての“好き”ではなかった事に気付いた。

『楓…』

敬大の胸が痛んだ。

『だから…だからあたしは敬大と別れてあげる』

レミは無理して明るく言った。