ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜

『楓…』

涙を流し叫ぶ楓の言葉が敬大の胸を締め付けた。

そして敬大は自分の左手を見つめ、いつか言われたリョータの言葉を思い出した。

『どんな姿になっても…夢を諦めたりしない…か…』

敬大はボソッと呟いた。

『敬大?』

敬大の呟きを聞いた楓は敬大から離れ、敬大の言葉に驚いた。

『楓…ごめん。俺また勝手に夢を諦めるところだった…』

敬大はそう言って自分の左手を見つめていたが、楓の方を向きさっきまでとは違い優しい笑顔を見せた。

『左手がなんだよな。指が動かないくらいで、お前との約束破ったり何かしたくない。お前が言う奇跡を信じてみる』

そう言って敬大は右手の小指を出した。

『楓…もう一度約束』

敬大にそう言われた楓も小指を出した。

『楓…俺のライブをいつか絶対見に来ること。約束な、指きった』

敬大は楓と指切りをし約束を交わした。

楓の思いだけが敬大の心に響き、敬大はリハビリを繰り返し“奇跡”を信じる事に決めた。