『敬大、一人で奴らんとこに乗り込んでくなんて無茶しすぎなんだよな。今度から一人で無茶すんなよ』

蓮は敬大に軽く注意した。

『敬大くん、目を覚ましたようだね』

突然院長がそっと扉を開け病室に入って来た。

『院長先生…』

敬大は院長に気付いた。

『蓮たち、すまないが少し外してもらえるかな?』

院長がそう言うと、敬大は不思議そうな顔をした。

『…わかった。レミさん、楓、行こう』

蓮がそう言うとレミと楓も蓮と一緒に病室を出て行った。

3人が出ていくのを見届けた院長は、ベッドの横の椅子にそっと座った。

『院長先生何ですか?』

敬大は気になることを尋ねた。

『敬大くん。ケガの方はたいしたことないし、すぐに治るよ』

『本当ですか?』

敬大は笑みを浮かべた。

『うん。ただ…』

院長は少し言いにくそうだった。