『はい』

楓は敬大にバナナを手渡した。

『サンキュー…』

敬大は楓からバナナを受け取った時、楓の手に触れ驚いた。

『楓、お前すごい冷たい手をしてるじゃないか!!』

楓は敬大にそう言われ、手をさっと後ろに引っ込めた。

『お前何やってたんだよ?』

『うん…ちょっとね』

楓は苦笑いを浮かべて言った。

『う、うん…』

ベッドにもたれて眠っていたレミが目を覚ました。

『け、敬大!!』

レミは敬大に気付いた。

『おはようレミ』

敬大は笑顔で言った。

『敬大!!もう心配したんだから!!』

レミは涙を零しながら、敬大に抱き着いた。

レミの声に蓮も目を覚ました。

『敬大!!お前大丈夫か?』

蓮は敬大に駆け寄った。

『みんな心配かけてごめんな。傷はまだ痛むけど、とりあえず大丈夫だよ』

敬大は笑顔で言った。