『へぇー、すげー!!』

敬大は驚いていた。

『大阪湾の夜景もなかなかええもんやろ?』

誠治は夜景を見つめている敬大に言った。

『でも、男二人で夜景見てるなんて、俺達なかなかキモいですよね』

敬大は夜景を見ながら笑って言った。

『ええねん、ええねん。男同士で夜景見たって別にええねん』

誠治も笑いながら言った。

そして二人は海風に当たりながら、静かにじっと夜景を見つめた。

『ホンマ綺麗やなぁー』

そんな沈黙を破るように誠治は独り言を呟いていた。

そばで敬大は夜景を見つめながら考え事をしていた。

そんな敬大を見た誠治は敬大に声をかけた。

『なあ、敬大…お前ホンマは何しに大阪まで来たんや?』

『えっ?だ、だから誠治さんに会いに…』

敬大は動揺しながら答えた。

『嘘はアカンで敬大。ずっと騙されたフリしてたけど、もうそろそろ騙されてるフリも疲れたわ』

誠治はそう言って、星のない夜空を見上げた。