『レミ、準備は出来た?』

敬大はライブに行く準備を終え、化粧中のレミに声をかけた。

『よし…完了。出来たよ、敬大。じゃあライブに行こうか』

レミと敬大は二人でライブ会場へと向かった。

16時開演なのに敬大たちが着いた15時にはもう観客が大勢来ていた。

敬大とレミは会場内に入り、チケットに書かれている席番に座った。

『まさかリョータさんがくれたこのチケットは…1番前の席だったなんてな』

敬大はそう言って、開演前のステージを見つめた。

『1番前で良かったね敬大』

レミは笑顔で言った。

しばらくすると会場内の照明が落ち、真っ暗闇に包まれた。

そして一筋のスポットライトがステージの一点を照らした。

するとリョータがギターを抱え、姿を現した。

『皆さん、今日は俺のライブに来てくれてありがとう。おもいっきり楽しんでいってください』

リョータは観客に向かって叫んだ。