『あ、そうだな救急車のが確かに早いな』

院長は笑って言った。

そして院長は真剣な顔をして口を開いた。

『蓮…すまなかったな。私はお前の母親を…』

『俺の母親は病気で死んだんだ』

『えっ!?何言ってるんだ?蓮の母親は私が…』

『俺が病気で死んだんだって言ってるんだから、病気で死んだんだよ』

蓮は素っ気なく言った。

『蓮…すまなかった!!』

院長は頭を深々と下げた。

蓮はそんな院長の姿をしばらくじーっと見つめていたが、再び口を開いた。

『確かにさ…俺は最初アンタを恨んでたけど、今はもうアンタを恨んでないよ』

『えっ?』

院長は驚いて顔を上げた。

『敬大や友也に出会ってから気付いたんだ。俺は一人じゃないんだって…母親を亡くして一人ぼっちだった俺に、すぐにアンタは俺を引き取って家族になってくれた。仮の家族だとしても、俺は嬉しかった』

蓮は自分の思いを話し出した。