蓮は病院の屋上のフェンスにもたれ、ボーッとしながら景色を一人眺めていた。

『蓮!!』

その声に気付き、蓮が背後を振り返るとナースの桐丘レイが歩み寄って来ていた。

『なーにしてんのこんな所で?っていうか、蓮ってなかなか神出鬼没だね』

桐丘レイは笑いながらそう言って、蓮の隣に立った。

『レイだって何しに来たんだよ?サボりか?』

『はあ!?違うよ。コレ、コレ』

桐丘レイは洗濯物の入った大きなカゴを蓮に見せた。

『洗濯物干しに来たのか…って、もう夕方だぞ』

『仕方ないじゃん。最近人が足りなくて忙しいんだもん』

桐丘レイはそう言って、洗濯したばかりのシーツを欲し始めた。

『よいっしょ…シーツっておっきいから、なかなか大変なんだよね、干すのさー』

桐丘レイは頑張ってシーツを干していた。

その様子をしばらく見ていた蓮が、カゴの中からシーツを取り出した。