肌寒い季節…

灰色に染まる空…

変わりやすい秋空から、次第に悲しみの雨が降り注いだ。

それと同時にある一つの高校では、パトカーのサイレンの音がこだましていた。

俺は“瑞輝 敬大”

夢は幼い頃に見たギタリストの影響で、ミュージシャンを夢見てた。

でも結局夢は夢のままなんだ…。

突然校舎に押しかけて来た警察官数名に、俺は腕に冷たく重い手錠をかけられた。

周りのみんなや先生たちは驚いていた…

当然の事だ。

俺にしか理由はわからない。

傷害事件…

自分の父親をこの手で刺した。

手錠をかけられたこの俺の手は、血で汚れている。

警察官に連行されながら校舎を出て、その先で見た景色はどこかいつもと違ってた。

いつも見慣れたはずの校庭の景色なのに…

悲しみの雨に濡れて寂しそうだった。

この景色が高校生活最後の景色になるなんてな…。