連れていかれたところは、生物準備室。 私が蘭先輩に会える唯一の場所。 その壁に悠介は私を押しつけた。 「泣くなっていったろ!!」 「泣いてない!!」 というか、50分間の記憶がない。 「じゃあなんでいなくなったんだよ?」 悠介の声がちょっと落ち着いた。 「そ、それは…」 私だってわかんないよ。 「なぁ、優香。」 悠介に久しぶりに名前を呼ばれた。