小さい声で、でもはっきりとそう聞こえた。 「せっかく付き合えたのに何も買ってくれやしない ただのつまんない男だったよ? 蓮は」 見下したような笑い方。 さっきまでの反省の色はない。 ああ。 そうか。 夕陽は俺が好きなんじゃなかった。 俺の金が好きだったんだ。 「ああそうかよ。 もうお前に用はねえ うせろ」 悔しかった。 俺は本気だったのに。