季節は冬。 息が白く、雪が降るんじゃないかって思うくらい空はどんよりと暗い。 『はぁ…………』 莉緒は豪華な扉の前で、今日何度目かという溜息をついていた。 柊にキスをされたあの日、消毒と言ってキスをした柊はフリーズしている莉緒を置いて部屋に戻って行った。 それからちょうど休みが入り一安心したものの、莉緒は夜な夜な悩み寝不足気味だった。 なんで私にキスしたのよ… 私のことなんとも思ってないくせに…