――ざわざわしている



やっぱりみんなはすごいな。



すぐ話しかけて、それで仲良くなれる。



そんなこと、私にはできない。



誰か一人でいる子いないかな。



…いない。みんな誰かと話してる。私だけが一人だ…。



そういえば中学に入学したときもこんな感じだったな。



あのときは、何とか話しかけて友達になったっけ。
でも、結局その子とは合わなくて、別の子と話すようになって…。



今となっては、その子の名前すら覚えてない。



嫌だな…こんなの。



一人は…寂しい。



…あっ、二人で話してるあの子に話しかけてみようかな。



『…あっ…。』



声小さかったのかな。
聞こえたのか分からないけど、こっちに振り向きもせず話し込んでる。



あーあ。ダメかも。



高校ってつまらない。



…入学初日にそんなことを考えてしまった。



また中学と何ら変わらない平凡な日々を送ることになるのかな。



私はもう、半分諦めていた。



高校もつまらないものなんだ、って決めつけて…



でもなぜか、そう思っている自分がとても悲しい存在だと、心のどこかで感じていた…。