山田 菜緒28歳


私と祐との出会いは中学2年の時…



中学に入って初めて好きになった人。



雨の日の放課後…



私はいつものように先輩達と3年生の教室にたまっていた。




カシャ=3 カシャ=3 カシャ=3



たくさんの足音がする。



教室の後ろに並べられたロッカーの上に座っていた私は、ふと窓の外を見たら、



サッカー部がスパイクの音をカシャカシャとさせながら、アリンコのように列をなして走っていた。



ウザイ #



雨で湿った空気のせいか無性にスパイクの足音が耳につく…



(何周走るんだろう・・・)



私の脳みそをスパイクの音がかきむしるようにイラつく



私達のいる教室をやたら見て行く背の高い、やたら目立った奴がいた。



目が合う度に余計にイラつく…



あまり真面目に学校に行ってなかった私は、そいつが1年なのか、2年なのか、学年は全く分からない 。



キッ !!



私は、こっちを見るなとばかりに睨んだ。



カシャ=3 カシャ=3 カシャ=3



また回ってきた…



(ウザイ…)



そう思っていたら今度は私が睨まれた。



「アイツ…ムカツク#」



とうとう私は爆発して大きな声で叫んだ。



私の声に先輩達が反応する…



「あの背の高い奴=3」



「あ~藤田!」



「何で?」



「えっ~ 知ってるの?」



先輩達と仲がいいなら私も知っててもおかしくないはずなのに…



「だっていちいち睨んで行くからムカツク#」



私がふて腐れて言うと、



「ずっと走ってるからアイツもムカツいてるんだろ~」



先輩の友達なら…



でもいちいち目が合うのはいや!



私が見なければ…と足音がしたら反対方向を見るようにした。



(ドン=3)



無視していたらドアを叩いてきた