「みー!!」

俺は、飛び起きあたりを見回した。

「うん?何~?」

夢か……。

夢でよかった。

「なんでもない」

「じゃあ、いいけど……私、もう行くね」

「なんでだよ」

「今日、デートだから♪」

「あっそう」

デートという言葉が、今の俺にとってとても嫌なものに聞こえてくる。

デート=カップルというイメージがあるからだ。

現に、みーとアイツは付き合っている。

けど、みーには俺がいるってずっと思ってる。

「じゃあ、行ってくるね」

「いってらっしゃい」

みーは、ふりふりのスカートにブーツという俺と遊ぶ時とは違う格好をしていた。

見てて、イラつく。

もう少し素直になれてたらなんて思う自分もいる。

けど、そんなの無理に決まっている。

俺が、今更みーに優しくしようとするなんて無理だ。

逆に、みーも困るだろう。

俺は、今の俺のままで。

みーは、みーのままで。

【幼なじみ】という関係もこのままで。

それが、一番の願いかもしれない。