ルシルの家は、確かに街から少し離れたところにひっそりとたっていた。
ぼろぼろの小さな家。
ルシルがただいま、と扉を開けると、中からは小さな子供が4人、わらわらと群がってきた。
・・絵に描いたような貧乏生活だな
俺は、ほんの少し、ルシルに同情を感じた。
よく見ると、ルシルはぼろぼろの着古した服を着て、靴もはいていない。
裸足で街まで行ったのだとしたら、確かに馬で帰れるのはありがたいだろう。
俺は、そこまで見届けるときびすをかえした。
早く戻って侍女を探さなくては、城へ戻れない。
と、突然たくましい腕が、喉元を捕らえ、俺は息ができなくなった。
「あんたかい?ルシルを侍女として雇うってのは」
野太い声に、たくましい腕。てっきり男だと思ったその人物は・・・。
「母さん!マーズレンさんの首が絞まっちゃってるよ!」
・・か、かあさん?!
俺は、そこで意識を失った。


