少女は相変わらずぽかんとしていたが、俺の話が長引きそうだと知ると、
俺の手を取って、笑った。
「母さんに聞いてみないといけないから、一緒に来て!
あ、少し街から離れてるから、馬に乗せて。
地主さんがいなくて不運だと思ったけど、家まで歩かなくてすむのは幸運よね」
少女は俺の返事も聞かず、自ら馬に乗ろうと手をかけた。
「う、うわっ。待てよ。
わかったから、勝手に乗るな」
俺は、少女の案内の下、家に向かって馬を進めた。
・・あぁ、なんだか、おかしな娘に会っちゃったな。
こんなんで侍女がつとまるのか?
俺は一抹の不安を抱えたが、背に腹はかえられなかった。


