あまりにもあっさりとしたその答えに、俺は思わずのけぞった。
「えと、あのね、俺はノルバス国の兵士で、
いわば、君の国を侵略しに来た人間なんだよ。
いや確かに、俺は女性に乱暴を働いたりするつもりはないし、
そういうやからは大嫌いなんだけど」
俺の言いたいことがわからないようで、少女は首を傾けた。
まるで、だから何?とでも言っているようだ。
「いや、そのだからさ、俺たちは今はじめて会ったわけでしょ?
それなのに、そんなあっさり、話に乗っちゃって・・。
もし俺が悪人だったらどうするんだい?
若い女性なんだから、もうちょっと自覚を持って・・」
俺は、自分の話を受けてくれた方が都合が良いのにもかかわらず、
あまりに警戒心のない少女の態度に、思わず説教じみたことを話してしまった。


