【盲目の天使】番外編


自分の国を侵略した兵士に、何かされると、若い女性が心配することといったら一つだ。

俺は、その少女が、決して自分に警戒心を抱かないよう、慎重に言葉を選んで下手に出た。


多分、一度言っただけでは信用してもらえないだろう。

何度でも頭を下げて頼み込むつもりだった。


侍女探しに費やした日にちはすでに3日。これ以上かかれば、自分には無能のレッテルが貼られるだろう。


ところが、少女が発したのは、俺が思っていたのとは、まったく別の言葉だった。


「いくらで雇ってくれるんですか?」