「ごめん、ルシル。これは、君の分だね」 「気にしないで。馬に乗せてもらったもの。そのお礼よ」 かあさんが乱暴したお詫びもかねてね、とルシルは笑った。 ごめんとあやまった理由は、そればかりではなかったが、俺はそれを口にすることはなかった。 代わりに、スープを最後の一口まで残さず綺麗に飲んだ。 飲み終わると、ルシルに声をかけた。 「ルシル。 侍女の話なんだけどね・・」 <つづく>