NAO




 「愛…抱きしめても良い?」



 唐突な俺の言葉に驚いていたけど



 「良いよ。あたしも、ナオに触れたかったから。」



 そう言って、ほんのり赤くなる頬を隠すように下に俯く愛。


 そんな愛を俺は抱きしめた。


 だけど…愛の体に触れる事が出来ないー…。


 俺の胸の中にいる愛だけど…温もりを感じないーー。


 それが…この世界にいないんだと感じさせられる。


 そう思う俺に愛は…。



 「あっ…ナオの心臓が聞こえる。トクン…トクンって。ちゃんと動いてる。」



 目を閉じて胸に耳をすませる愛ーー。