ーー十年前。 病室のベッドで俺は愛を待っていた。 外でなる救急車のサイレンが聞こえる。 そんな事、気に止めなかった俺のもとに…。 ーーガラッ! 「直樹君!」 「先生、どうしたんですか?」 ハァハァと息を切らせて…。 「ドナーが…ドナーが見つかったよ!」 興奮して声が大きい先生。 「え…」 「ドナーが見つかったんだよ!」 「ほ…本当…ですか?」 「本当だよ。親御さんに、連絡を取って手術を始めるから。」 そう言って先生は部屋を出て行った。 何が起きたのか分からなかったーー。