思い切り自転車で走って行った葛城を見送って、俺と日和は再び歩き出す。 『泉谷の彼女?』 彼女……… なんか変に意識してしまって、俺は少し日和から離れた。 嫌いな訳じゃない。 それは違うけど、 周りから見たらそう見えるんなら 意識するのは当たり前。 「渉真、濡れるよ?」 腕が雨で少しずつ濡れていく。 日和は俺の腕を覗き込んでそう言った。 「…気にしねぇし」 「風邪引くよ?」 日和はそう俺を気遣ってくれて、衝撃の一言。 「もっと入ったら?肩出てるし…」