電気といっても低周波治療機の大きいヤツみたいなので特に痛くもなくやることもな
いので周りの人をぼーっとみてたらそこには青春が息づいていた。

女 「先生!できませんっ」

・・涙涙涙。多分高校生だよなあ。あーひざついちゃってるよ


   男、女の肩を両手でガシッとつかみ 

男 「なにいってるんだ!ユウ。お前ならできる。これまでのお前を忘れたのか!」

   女、涙に潤む目で男を見上げる。

女 「でも・・・」

   男、しっかりと女の目を見つめる

男 「オレは今までのお前のがんばりをみてたんだ!もう少し、もう少しじゃないか
!」


嘘だとお思いでしょう。嘘ではありません。女の子は背中に「○○○ VOLLEY 
TEAM」なるロゴ入りのジャージ。

男は20代前半の理学療法士です。まさに青春ドラマ。
というよりアニメの世界「アタックNO1」か「エースを狙え」。

けっこうリハビリをしてるひとがたくさんいるのでそんなミニドラマはどうってことないかもしれませんが私のツボにはまりました。

冷静に想像してみて下さい。整形外科の片隅でなにを酔っているのか。

私にゃ彼らの目の中に星が見えたよ。ギプスとかしててよっぽど重症ならともかくジャージきて練習の合間にきたって感じ。

しかも女子・・・けっこうごつい

そのあと、涙を拭いた女子高生が始めたリハビリはなんと「温泉治療」でした。

あれだけのドラマを演じたからにはエキスパンダーとか大リーグ養成ギプス系のリハビリしてほしかった。

とはいえ、重症から回復なのかもと気を取り直し、

ちらっと彼女のカルテをみたら「手首捻挫」でした。思いっきりたいしたことない。特筆すべきは彼女の名前。

「○○弘美」


・・・・どこにユウがでてくるの?


 もしかして・・・YOU?

電気治療機のコードつけたまま、理学療法士の目を盗んで首を伸ばしたりひねったり
して他人のカルテ見てたら、けっこう肩凝った。

あんまり治った気がしない。


20分ちかくもぼーっとする時間を与えられるといろんなことがみえてくるのね。なん
てしみじみ思ったある日の夜でした。