はーちゃんが去ったのを確認すると千秋はベットの中から顔を出した。
あたしは金縛りにあったみたいに動けないままいつまでも潜りこんでいた。
千秋が「フーッ」と小さく息を漏らすのが聞こえた。
「お前、いつまで隠れてんだよ」
「う……うるさいっ」
だって泣きそうなんだもん。
しょうがないじゃん。
罪悪感に押し潰されそうなんだもん……。
「ったく、早く出てこいっつの」
「きゃ……」
千秋の腕が侵入してきてズルズルとベットの中から引き出された。
「そんな顔してんじゃねぇよ」
あたし、きっと酷い顔してる。
拳に力を入れて泣きそうになるのを堪えてるから。
千秋はなんでもお見通しって瞳であたしを見る。
「は……羽鳥に謝ってくる」
「は?」
「だって羽鳥のこと怒らせ……」
そこで言葉が途切れた。
千秋の唇に封じられたから。