「ケホ‥‥ケホ‥‥」 笑っていた姉の爽佳が、顔をしかめながら小さな咳をした。 「お姉、どうしたの?」 紘伽は、妊婦の姉が心配になり問い掛ける。 「ん?ちょっと煙かったの」 そう指を指す先には、歩きタバコで笑うおじさん達がいた。 「妊婦にタバコの煙りはヤバイよね」 紘伽はすぐに、光一を妊娠中に、姉が見せてくれた雑誌の特集を思い出した。