「じゃあ、これあげるから」

徹は財布からチケットを2枚、取り出した。

「二人で行っといでよ」

奈々は恐る恐る受け取ると。

「うわあ〜!!」

いきなり叫んだので他のお客さんも、睦海もユウナも一斉に見つめた。

「戦隊ショー!!」

奈々はチラッ、と悠斗を見ると

「これに行きたい!!」

とチケットを見せた。

「うん、いいよ」

悠斗は微笑む。



「お待たせいたしました〜!」

そこへユウナがやって来て。

注文したものを置いていく。



「しかし、何であんなの、持ってたの?」

祥太郎は徹に聞くと

「今度の日曜、急に仕事が入ってさ。
行けなくなったし。
…今、付き合っている子が好きなんだよ、そういうの」

徹はチラッ、とユウナを見つめた。

ユウナもグラスを置きながら徹を見つめて微笑んだ。



「まさか…」

光はチラッ、と視線をユウナに向ける。

ユウナは微笑むだけで何も言わない。

「やるねえ、お前も」

祥太郎がにっこり笑うと

「いやいや、祥太郎には敵わないよ」

徹は首を横に振った。