「巫女って?」


その様子に、不安があたしのなかで膨らんだ。


「えっ、何? あたし何か言った?」

「もう、母さんてば……」


母さんもあたしと似て、考え事するとぼ~っとする癖がある。

いや、あたしが母さんに似てるのかな。


「でも、何でその子が夢子を迎えにくるの?」

「あぁ、翔に頼まれて」

「翔くんに?」

「朝、一人で学校行ったら駄目ってさぁ」

「あんたの寝ぼけ癖、心配してくれてるのね。あんた、朝、ぼぉっとしてることあるから……」

「最近は意識してるから、そんなことないんだけどなぁ。

翔には信用ないんだ」

「まぁ、怪我されるよりはいいよ。

わざわざ迎えに来てくれてるんだ、あたしも一言挨拶しとくかな」


「いいよぉ、はずかしい!!」

あたしは必死に止めたんだけど。


「何言ってんの」って、あたしの制止も聞かず、母さんは外に出て行った。


化粧もしない、殆んど寝起きの姿で。


待ってよ、あたしまだ、朝食食べてないし……