「凄い!」



あたしは思わず、百地を見上げて叫んだ。

そこには無防備に笑う、百地がいた。


「ケーキ、潰しちゃったね、ごめん。でも、ちゃんと食べるから」


熱い抱擁から、あたしを解き放し、百地が申し訳なさそうに呟いた。



何で、そんなにまでしてあたしが守られる必要があるのか?

そんな価値があたしにあるのか?

二人の未来に何があるのか?



そんなことは、今は全くわからない。

いつか見えるのかな?

その未来が……



「夢子は俺にとって、守る価値のある、大事な大事な女の子だよ」



百地はそう言うと、あたしの頬にそっとキスをした。