そう言えば、夏合宿の出発の時、百地が小太郎先生に『母は弟の合宿についていって留守なので……』と言っていたことを思い出した。 百地は秘密にしていた訳じゃない。 確かに、話にくかったとか、あえて話題にする状況になかったとか、そういうことはあるかもしれない。 でも、そういうことじゃなく、あたし達が気にとめていなかっただけなんだ、と気がついた。 足の悪い百地の弟、どんな子なのかな? 興味本位で聞くわけにもいかず、あたしは言葉を飲み込んだ。