「翔、何で百地を根来に誘ったの?」


歩きながら気持ちを落ち着けて、あたしは翔に聞いてみた。


「うん? だって、やっぱ根来だろ?

親父も古文書調べに今年は珍しく帰省するって言ってるしさ」


「そっか」

「そう、これは必然なんだよ」

「翔がそんなこと言うなんて以外」

「俺はいつだって必然を感じてる。口に出さないだけだよ」


また翔の真っ直ぐな目があたしを捕らえた。


ざわつく胸、逆流する血。

根来があたしを呼んでいる?