「はは……、まぁ、それは大人の社交辞令として受け取っておこう。

君たちは新入生、紫苑は三年で最上級生。

お世話するのは当然だろう?」


あたし思わずクスって笑ってしまった。

だって、そんな尤もらしいことを尤もらしく言うなんて、小太郎先生って変な大人って思ってしまった。


「で、皆さん、秋の同人誌第一号発刊に向けて、この夏休みに合宿を行いたいと思います!」


紫苑先輩が右手大きく上に挙げ、選手宣誓のようにかしこまって声を発した。


「パパが夏休み最初の一週間、伊豆の別荘使ってもいいって、ね?」


紫苑先輩が満面の笑みで、小太郎先生の顔を覗き込んだ。


「いかにも。わたしも、丁度連載の合間が出来てね、お付き合いできると思う」

「ほ、ほんとですか?」


ユタの身体は喜びに震え、その顔は赤を通り越し、薄っすらと紫色さえ帯びてきた。


倒れるなよぉ~