「百地、クラブ行くぞ!」


って、翔があたしの顔を横目でちらっと覗いて、無言で立ち上がり教室を出て行った。

顔がちょっと怒ってる?

いつの間にか、帰りの会も終わり、教室に残ってる生徒はあたし達とほか二、三人。


「僕達も行きましょうか、文芸部」


ユタも心なし不機嫌そうに、そう言うと席を立った。


待ってよ!

あたしも行くよ!


「田中……」

「ん、何、百地君?」


そう呼び止められて、あたし、ユタの後について歩き出した足を止めた。


「あ……、いや、何でもない。

また、明日な」


一瞬の間が空いて、百地があたしの顔をじっと見たけど。

その先に言葉は続かなかった。


「うん、じゃあね、バイバイ」


って、あたし小さく手を振って、ユタの跡を追いかけた。