俺もあいつにとって…特別な何か、なんだろうか。

 …何て考える自分を嘲笑った。

 他人なんかどうなろうが知ったこっちゃねぇ。

 それが俺なのに。

 変わったのは美華だけじゃねぇってことか…。

 けど今の俺もそこまで嫌いじゃねぇんだ。

 なんつーの?人間らしくなったっつーか…。

 常に冷めてた心が、溶けてく感じ。

 客観的だったのが主観的になっていく。

 …美華の影響だな。

 頬杖をついて目を瞑った。

 暗闇にあの横顔が浮かび上がる。

 …俺、変な奴だな…。