高校卒業して同棲して、朝起きたら美華がいて一緒に飯食って

 夜寝るときも一緒で、専門学校卒業したら結婚して。

 俺が考えた家に住んで、帰ったら美華がおかえりって出迎えて

 それで子供が生まれて、みんなで暮らして…。

 それが俺の思い描く幸せだった。

 俺はあの映画みたいに、数年後に出逢うキセキなんて信じられない。

 だから、美華を幸せにするなんて…約束は出来ない。

 けど、今のこの気持ちは本当だから。

 今が積み重なっていって、いつか永遠になればいい。

 立ち上がって、乃亜の正面に行く。


「…わかった、じゃあケータイ貸してくれ」

「っ…うん?」


 受け取ったピンクのケータイ。

 新規メールを作って、電話帳から美華を探す。

 そして文字を打って、乃亜に返した。


「…なに…?」

「別に、…じゃあな」


 1歩1歩歩き出す。

 力強く踏みしめて…少しずつ、俺は歩き出した。


  20XX/03/09 13:32
To お姉ちゃん
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ずっと待ってる。
ずっと愛してるから。
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