「…ホッキョクグマは見なくていいのか?」

「あ!…うーん、そっちも見たいなぁ」

「まだ11時過ぎだし、見ていけばいいだろ」

「うん、そうだね!」


 にっこりと笑って俺の手をひいて歩く。

 今日の美華の格好は白のハイネックに黄色のショートジャケット。

 それから赤チェックのスカートにニーソにキャラメル色のロングブーツ。

 明るめのコーデだった。

 コイツ、結構赤とか好きだよな。

 …まあ似合ってるからいいけど。


「斗真、ホッキョクグマだって!」

「おー」


 引っ張られながら前に出るとちょうどホッキョクグマがダイブしてきた。

 俺でも驚くような迫力。

 なのにこいつは……


「すごーい!かわいー!かっこいー!」

「可愛い…か?」


 確かホッキョクグマって、地上で1番凶暴とか…そんなんじゃなかったか?

 俺がそう伝えると、美華は笑って説明し出した。


「ホッキョクグマはもっとも大きな食肉類の1種でね?
 泳ぎと潜水が得意なの」

「へぇ…でも潜水っつったって、たかが知れてんだろ?」