家には誰もいなかった。

 姉貴はデートで…親父とお袋もデートか。

 …つまり夜中まで誰も帰って来ねえ。

 いやいや、襲わねぇよ!?

 付き合って2ヶ月経つし俺としては待ってるほうだけど、美華は初めてだし…。

 美華の心の準備が出来るまで待たなきゃだろ。


「先上がってろ」

「うん、お邪魔します」


 ブーツを脱いで端に寄せる。

 …そうゆうとこ、しつけちゃんとしてるよな。

 ケイさんが溺愛すんのもなんとなくわかる。

 キッチンに行ってコーヒーを作る。

 美華はカフェオレで…砂糖2杯だったよな。

 程よく温まったところで部屋に向かう。

 扉を開けると美華はレイヤードジャケットを脱いだ状態だった。

 中は重ね着風のTシャツ。

 2枚くらい…か。

 ……俺、どこ見てんだよ…!


「カフェオレでよかったよな?」

「うん、ありがとう」


 手渡して一口飲む。

 うん…身体暖まるな。


「あつ…っ」

「っ熱かったか?」

「ん……」


 真っ赤な舌を出す美華。

―どくん…!