――ふわふわどこかに飛んで行ってしまう君だけど。

 必死で繋ぎ止めるから

 俺のそばにいて下さい――







 最近、妙にイライラして焦ってる。

 美華が他の男と喋ってるとイライラする。

 ヤキモチなんて可愛いもんじゃねぇ。

 明らかに嫉妬…独占欲だ。

 抑えたいのに抑えらんねぇ。


「…美華、」

「ん?なぁに?」


 にこにこしてる美華が気に食わない。

 …お前は、俺のだろ?

 例え相手が廉だろうと…ムカつくんだよ…っ!


「俺以外の男と喋るな!」

「えっ…無理だよ、櫻沢くんは友だちだもん」

「はあ!?俺の言うこと聞けねぇのかよ!」


 強く手首を握りしめた。

 この不安も何も、お前は感じないのか?

 不安なんて…ねぇのかよ?

 俺はお前がどっかに行っちまいそうで、情けねぇけど怖いのに。


「あたしは斗真の人形じゃない。
 もう誰かのいいなりにならなくていいって言ってくれたのは斗真でしょ?」

「……っ」


 確かにそうだ、そう言った。

 じゃあどうすればいいんだよ?