「斗真、ちょっといい？｣
「？…おう。
ちょっと行ってくるな｣
「うん、いってらっしゃい｣
美華の頭を撫でてから廉と少し離れたとこに行く。
教室の隅で廉と向き合った。
何だよ…この真剣な雰囲気。
…何かあったのか？
「最近、美華ちゃんの様子どう？｣
「は？普通だけど…何かあったのか？｣
「いや、何もないんならいいんだけど…嫌な噂聞いたから｣
「嫌な噂？｣
噂なんかあったか…？
まあ俺も美華も噂気にするようなタイプじゃねぇし。
「……美華ちゃんが、嫌がらせ受けてるって噂｣
「……は｣
「大きなものじゃないからはっきりとはわからないんだけど、女子が美華ちゃんの下駄箱に何か入れてるの見たって子がいるんだ｣
嫌がらせ…って、俺のせい…？
美華自身は嫌われるような奴じゃねぇし、それ以外ないだろ…。
強く、唇を噛み締めた。
「はっきりとしたことはわからないけど、別れようとか思うなよ｣
「…んなわけねぇだろ。
ぜってぇ別れねぇよ｣
「うん、ならいいんだ｣
